リサイクルという言葉と同時に垣間見えるもの

里帰りすると、同じ場所でお見かけして「再会できた」と思える人達が何人かいます。
ただし、会話をしたことが無いのはもちろん、
相手方が僕の事など知らない、直接触れ合うことは無い人達。
その人から何かを買ったり、その人を通して注文をしたりすることはあっても、
仕事以外の面では接点の持ちようが無い人達です。

いつも穏やかな顔でお客と厨房とを結んで歩く新釗記のおじいさん。
どんなに混雑しててもテキパキとフロアを回り歩く強記飯店のおじさん。
「今日はこれを買って行くといい」と世話を焼いてくれる有運燒味飯店のおじいさん。
どうやらウチの事をよく来る日本人だと思っててくれる蕃薯苗のお母さん。
・・・ etc ・・・
勝手ながら、ウチとしては 【 まるっきり他人以上 ・ だけど ・ 知り合い未満】 の方々。
あ、4人挙げた段階で、すでに全部が飲食店の関係ですね(笑)。

でも、こうした枠とは違う気持ちで毎度のように出会ってしまう方々もいます。
「再会できた」とは言えない、というか、「また会えたね」とは思えない方々。
なんて言うんだろう?
事情を察することは出来ないから、安易な表現は出来ないのだけど、
その同じ方を見かけるたびに、
のほほんと滞在してる自分なりに色々と思ってしまう方々・・・です。



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街歩きをしていても、路線バスやトラムに乗っていても、たびたび目にする光景。
段ボールを拾い集めてらっしゃる姿や、その段ボールを束にして引きずってる姿。
僕が見かける範囲では、お年を召した方々ばかりです。

畳まれた段ボールって大きいし、枚数が増えれば増えるほどけっこうな重さのはず。
それを集めて歩いてらっしゃるのが若者や働き盛りの人ではないのだから、
やっぱり “ 辛い一面 ” として目に映ってしまう。
先に挙げたような “ 日々闊達に働いてらっしゃる方々 ” とは別な香港の一面を感じて。

一介の旅行者が何も容易く言えるものじゃないけれど、
「あ、またここでお会いできたね。」と嬉しく思えて安堵するものとは、
やっぱり決定的に違うわけで。。。



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朝の散歩の帰り道に荷李活道でよく見かけるおじさんは、いつも台車を使っています。
前記事までに載せたとおりで、台車もクルマ扱いだからなのか、
車道の隅に停めておいて周辺を回って集めてらっしゃる。
ここはかなりの数でタクシーが後ろから疾走して来る一方通行道路なので、
一旦集め終えて場所を移動する時にしっかり後方を確認しないと危ない場所。

この辺りは段ボールを歩道に捨て置く店などがほとんど無い地域だから、
かなり広範囲を歩きまわって集めるんじゃないかな。
ほぼ毎朝この量で見かけるから、ここまでにけっこうな時間を歩いてらっしゃるはず。
そしてこの後は中環の飲食店裏道に進むので、まだ荷は増えるはず。
そのためにも、そして少しでも多く運ぶためにも、台車は必需品だろうと思います。



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徳輔道西にある廃品買い取り店には、紙類を持ちこんで来る方達の姿が目立ちます。
乾物問屋街が近いから、大きめで丈夫な段ボールが多いような気が。
丈夫なだけに、重いはず。

筲箕灣のトラム駅に近い店だと、発泡スチロールを持ちこむ姿が目立つかな。
金華街の筲箕灣街市から近い場所だということも関係するのでしょう。
畳めないから、かさばるはず。

他の場所でも同じだけど、
店の入口には、
買い取り金額が表示されてたり、明朗会計で表示されるデジタル計があったり。

通りすがりにチラリと見て換算すると、その ささやか過ぎる買い取り額に驚きます。
歩道のゴミ箱に手を突っ込んで、捨てられてる新聞紙を取り出してる姿を見かけるけど、
新聞紙の買い取り額なんて紙類の中でも最低額にしかなりません。
買い取り値段表の左上【報紙】が新聞紙だけど、他より1ケタ2ケタ安値なの 見えます?
集めても集めても、どれほどの金額になるかと思うと 厳し過ぎる現実。

訪港年が違う里帰りのたびに何回見ても、
けっして見慣れることは無い気持ちになる ささやか過ぎる金額。



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紙類 ・ 缶類 ・ 金属類 ・・・他、それぞれに分類された物たちは、
種類ごとにプレスされて、あっけなくトラックへ。
ブーンと走り去るトラックの後ろに、また新たに持ち込む方々が続きます。

一括して軽々とクルマで運ばれていく日常の裏にあるのは、
それぞれの場所からここまで引きずって来たり 台車に載せてきたりする事実があって。



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リサイクルっていう面では、いまだに大まかで大胆すぎる香港ですが、
そのリサイクルを生業にして生計に加えている姿を見落とすわけにはいかないような気が。

香港って、歩道のあのゴミ箱に何でも突っ込むし、
ゴミ箱に入りきるはずもないイスやテーブルさえ歩道に捨ててあったりする街だけど、
ゴミ箱の中の新聞紙も店先に出された段ボールや発泡スチロールも、
必要として手に取り、買い取り店に持ち込む方々には
どんなに少量であっても不必要なものではありません。
朝から雨続きだったり 急なスコールが降って来たりすると、ふと色々思う事もあります。



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問屋街や市場(街市)を歩いて行くと、
店によっては ある程度の量をまとめて歩道の車道寄りに出しておく店も目にします。
コンビニの近くだと、あのゴミ箱が設置されてることが多いので、
ゴミ箱に入れずに その脇にまとめて出している様子も分かります。
同じエリアを同じ方々が通りかかった時、少しばかり集めやすくしておくお店。

その日の商いを終えて店の片付けをした時間帯や、
24時間営業のコンビニが仕入れを終える早朝時間帯に、
店員さんが何かの配慮をしながら段ボールや発泡スチロールなどを出していると、
言葉の無い言葉に 少しだけ触れることが出来たような気持ちになります。



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Commented by gogo-komomo at 2016-05-21 23:05
「働き者」と言う言葉ですべてを括れない実情を優しい言葉で綴ってらして、こえださんの思慮深さが感じられるポストでした。新たな視点を分けていただいた気がします。ありがとうございます。
Commented by ya_mei888 at 2016-05-22 10:09
日本だと3Kと言われるブルーカラーの仕事は人材不足の為、
時給が高い場合が多いです。
でも香港は学歴がなく、仕事がない人々がきつくて、汚くて、さらに危険な仕事まで引き受けてくださっています。
住んでいた村でゴミを収集してくれていたのもご高齢の方でした。
日本のゴミの収集は、たぶん市から比較的高値で落札した委託業務なのでは無いかと思われます。
以前の会社も日本の工場のワーカーは高卒以上の人でしたが、
香港工場では小学校卒の人がワーカーでした。
そして賃金は同じ工場のスタッフの半分以下でした。
3Kの労働力が安い香港、日本もやがて、そうなっていくのでしょうか?
Commented by take at 2016-05-22 13:55 x
先日、香港でこの問題を取り上げるニュースをテレビで拝見しました。日本同様長寿の香港ですが、長生きすること=辛いことになってしまってはいけないと感じました。
自分は、お年寄りではありませんでしたが、写真を撮るのに夢中になってしまったばかりに、段ボールをたくさん積んだリヤカーを引いた少年の行く先を塞いでしまったことがあります。雨の降る中、傘もささずにリヤカーを引く少年の姿が今でも忘れられません。しかもその少年は、自分が写真を撮り終えるまで立ち止まって待っていてくれたのです。はしゃぐ観光客と生活のために働く香港の少年。ただただ謝ることしか出来なかった自分ですが、今でもその光景を思い出すと胸が痛みます。
Commented by chonnfanndaisuki at 2016-05-25 18:57
♫ こももさん
明日の糧の一助にせんと台車を押して歩く人々が街には多いですね。この方達にとどまらず、清掃員として街の隅々まで歩いてゴミを片付ける方達も、問屋や街市で売り物を山と積んで運ぶ方達も、“台車と人”が行き来する様子には、どうしても目と気持ちが行ってしまいます。考えさせられたりエネルギーを分けてもらったり(独りよがりで)して。郊外よりも、やっぱり街なかならではの光景。あんなに物と人が溢れる街の中なのに、“台車と人”の姿は埋もれないんですよね。
Commented by chonnfanndaisuki at 2016-05-25 19:12
♫ 一美さん
労働条件と得られる報酬を考え合わせると、厳しさ以外に言葉が見つからない一介の旅行者です。でも、あの地で暮らし仕事をしてらっしゃった一美さんの体験やじかにお聞きになって来たお話から、より一層想像できない現実があるに違いないと感じます。先日TVで香港一般家庭の食費の一端を観ましたが、思う以上に高額。加えて、世界一の座を譲らない住居費。この街の衣食住って。。。集めて歩くおばあちゃんが、古い唐樓の狭い階段を上がってらっしゃる姿に時々出会います。
Commented by chonnfanndaisuki at 2016-05-25 19:23
♫ takeさん
子ども達の姿、で思い出すと、TV番組で香港を紹介される時の家庭の子どもって、ほぼ例外なく【習い事や勉学に勤しんでる】というリポートになっているような気がします。稽古事に学費を費やしてもらったり、親の送り迎え(小学校では親の義務)や手厚く暮らしをサポートしてもらったり、とても手が掛けられてて。それがけっして「不自由なく」ではないんだろうけど、それが当たり前の事だとはとらえられない現実がありますね。子供と老人の姿って、ある面 象徴的のような。
Commented by nicho at 2016-05-26 19:56 x
見かける度に考えさせられる風景…
彼らはいったいどんな場所で過ごしているんだろう?
以前香港の最近の事情を日本のテレビでやってたんですが、ベット1個で一杯になる物凄く狭い部屋に住まざるをえない人達…最近の家賃の高騰…
前回訪れた時に見たのは政府の施設の前で野宿されている方々、皆さん高齢の方だったんです。この光景初めて見たので、ちょっと固まってしまいました。
Commented by chonnfanndaisuki at 2016-05-27 09:20
♫ nichoさん
政府庁舎前のその光景も、心痛める場面ですね。そこを目撃してしまったことがありませんが、庁舎前でっていう部分に小さな訴えを感じざるを得ないような、というか、きっとnichoさんも感じてらっしゃるように、庁舎の職員をはじめとする政府寄りの人々がどんな気持ちで見て行くのか、と考えると、雨傘の時に重なるようにも思えますね。「暴力的な家賃の高騰」は何度も何度も話で聞いていたり、新聞掲載物件情報や街歩きの途中に不動産広告を見ていると確かに実感しますが、やっぱり現に住んでらっしゃる人々の苦悩には届かないんだろうな。
Commented by statusgraphite at 2016-05-27 16:02
よく事情を汲み取らないとあんまり安易に発言をするわけにもイカンよな~とか
思いつつ。
段ボール等々廃品回収業者さんはなかなか厳しい生業をされていますよねえ。
都内の事情をふと思い出してしまいました。

また寄らせていただきますねえ~^^
Commented by chonnfanndaisuki at 2016-05-27 17:53
♫ statusgraphiteさん
いらしてくださってありがとうございます。こちらでも、どうぞよろしくお願いします。・・・そうですよね。感じた事・考える事を言葉にする際に、自分もいつも思います。安易に口にし書く事ははばかられる。より詳細な実情に触れた時に自身がどう思うのか?と考えると勢いで書けるものではないですものね。その部分を踏まえつつなら、それも今の時点での想いとして残しておければ……と思ってます。statusgraphiteさんと地域は異なってても、委託業者さんの様子や、業者が来る前にひっそりと回収していく近所の方に出会うと、色々と思うところが。難しく考えられないので、瓶・缶・ペットボトルはきれいに洗浄しておくことだけしてます。
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by chonnfanndaisuki | 2016-05-21 22:34 | | Trackback | Comments(10)

…暮らすように滞在したい香港…


by chonnfanndaisuki
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